風邪は治ったのに咳だけが止まらない、そんな違和感を抱えたまま過ごしていませんか。数日間ならまだしも、1週間以上続く咳には注意が必要です。咳喘息や後鼻漏、アレルギー、さらには気管支炎や肺の疾患などは放置すると悪化する可能性もあります。日常生活に支障をきたす前に早めに対処することが大切です。
3週間以上長引く咳に要注意
発熱やのどの痛みが収まったのに、咳だけが長引く場合、熱がないからといって油断は禁物です。一般的な風邪であれば、1〜2週間以内に症状は落ち着きます。しかし、咳が3週間以上続く場合は「遷延性咳嗽(せんえんせいがいそう)」、8週間を超えると「慢性咳嗽(まんせいがいそう)」という症状に分類され、風邪以外の病気の可能性が出てきます。日常生活に支障をきたすこともあるため、長引く咳には注意が必要です。
咳ぜんそくとは?
長引く咳に悩んでいる人の中で、近年「咳ぜんそく」を発症する人が増えています。咳ぜんそくは、気道に炎症が慢性的に起こる病気です。ぜんそくと名前がついていますが、呼吸困難やゼーゼーという音が出ることはありません。症状は長引く咳のみのため、風邪の後遺症と間違えられやすいのが特徴です。
放っておくと、本格的な気管支ぜんそくに進行する恐れもあり、咳ぜんそくを発症した3人に1人は気管支ぜんそくへ移行すると言われています。気管支ぜんそくは完治しにくい症状であり、年間で約1800人も亡くなっているため、咳ぜんそくのうちに、吸入薬などを使って症状をコントロールすることが大切です。
COPDとは?
喫煙者や元喫煙者の中で、咳や痰、息切れが長引いている場合は「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」の可能性があります。COPDは、別名「タバコ病」とも言われており、長年の喫煙によって肺が炎症を起こし、空気の通り道が狭くなっていく病気です。初期症状では、階段の上り下りでの息切れや、痰が絡む咳が出る程度のため、自覚症状も少ないことが特徴です。
また、「歳のせい」「たばこをやめたから大丈夫」と放置してしまう方も多く見られます。しかし病気が進行すると、酸素を吸うのもつらくなり、日常生活に大きな支障が出ます。このように症状がハッキリと出てくる頃には、肺機能がかなり低下している恐れがあるため、喫煙者の方で呼吸器に少しでも異変を感じたら、病院を受診することが大切です。1日に何本もタバコを吸うという方は、より注意する必要があります。
咳が長引いたらどう対処する?
長引く咳を感じたとき、まずは自分の生活習慣や身の回りの環境をチェックすることが大切です。職場や家庭の空気が乾燥していると、アレルゲンなどの異物を除去する力が弱まったり、気道が刺激されて負担がかかるため、部屋の加湿をすることが重要です。加湿器がない場合、濡れたタオルを部屋干ししたり、コップに水を入れて置いておくだけでも効果があります。
また、水分補給をこまめに摂り、安静にします。冷たい飲み物は避けて、温かいものを飲むようにすると良いとされています。このような対処法でも改善しない場合は、市販薬や漢方薬に頼ることも一つの手です。咳が長く続くと、肺や喉にダメージがかかるため、なかなか咳の症状が治らないと感じた場合には、対処法を取る必要があります。
こんな場合は早めの受診が必要
長引く咳の症状に加え、夜間にも咳が止まらない場合や、日中に突然咳が止まらなくなる場合、肺や気道に重たい病気が潜んでいる危険性があるため、病院を受診することがおすすめです。また、痰が絡むような咳が出る場合も気をつけなくてはいけません。黄色っぽい痰や緑がかった痰、血が混じっている痰が出る場合、感染症にかかっていることがあります。
また、体重の減少を伴うケースでは、がんの疑いがあります。そのほか、強い息切れなどの症状が併発している場合も、すぐに病院を受診することが必要です。特に高齢者や喫煙歴のある方は、重い病気が潜んでいる可能性が高く、検査を受けることで早期発見につながります。
咳を放置するとどうなる?
長引く咳をそのまま放っておくと、気道の炎症が慢性化し、肺機能が低下するリスクがあります。特に咳ぜんそくやCOPDは、放置することで回復しづらくなり、慢性的な呼吸困難を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。また、夜間にも咳が出る場合、睡眠の質が下がることで日中の集中力や体力も低下します。痰が絡むような咳や日中突発的に咳が出る場合は、自分自身が辛いだけでなく、周囲の人にまで不快感を与えかねません。症状が悪化する前に、原因を検査して対処することが必要です。
長引く咳の予防と対策
咳を予防するために、手洗いうがいを徹底して行うことが大切です。特にうがいは、口の中に入ったアレルゲンやホコリ、花粉などを洗い流すことができます。また、マスクを着用することも効果的な対策です。風邪や咳の原因となるウイルスや細菌の侵入を防ぐことができます。手洗いうがい・マスクの着用は、咳の予防だけでなく、インフルエンザなどの感染症を予防することもできるため、おすすめの対策方法です。また、喫煙は呼吸器へ大きな負担になります。そのため、禁煙をすることも大切です。また、過度なストレスや睡眠不足は免疫力の低下につながるため、規則正しい生活を意識することが、咳の予防に直結します。
万が一、咳が出始めた場合でも、早めに医師に相談すれば、重症化や慢性化を防ぐことができるため、長引く咳を軽視せず、病院へ相談することが大切です。
